特集 “わかったつもり”で終わらせない血液凝固異常とDIC
Part 2 検査と鑑別
❾ 血小板減少症の鑑別フロー—回り続けることで正解に近づく
梅村 穣
1
Yutaka UMEMURA
1
1大阪大学医学部附属病院 救命救急科
キーワード:
血小板減少症
,
播種性血管内凝固
,
DIC
,
血栓性微小血管症
,
TMA
,
ヘパリン起因性血小板減少症
,
HIT
Keyword:
血小板減少症
,
播種性血管内凝固
,
DIC
,
血栓性微小血管症
,
TMA
,
ヘパリン起因性血小板減少症
,
HIT
pp.39-44
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330180010039
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はじめに
血小板減少症とは,一般的に血小板数が15万/μLを下回った状態を指す。血小板減少症の原因は,病態学上は血小板の産生低下と消費亢進に分けられる。また,臨床上は慢性的な血小板減少症と急性の血小板減少症に分けられる。慢性的な血小板減少症の原因疾患には,免疫性血小板減少性紫斑病immune thrombocytopenic purpura(ITP),先天性血友病A,再生不良性貧血など自己免疫疾患や遺伝性疾患に加え,肝硬変のような消化器疾患がある(表1)。急性の血小板減少をきたす病態としては,播種性血管内凝固disseminated intravascular coagulation(DIC),血栓性微小血管症thrombotic microangiopathy(TMA)など,重症病態によって惹起される二次性の症候群が多いが,ヘパリン起因性血小板減少症heparin-induced thrombocytopenia(HIT)や体外循環の合併症としての血小板減少症など,医療行為によって惹起されるものもある(表2)。血小板減少症をきたす病態は多彩である一方,その治療は病態によって大きく異なる場合があり,適切な鑑別診断が重要となる。
本稿では,自験例を参考に,ICUにおける血小板減少症の鑑別フローの一例を紹介し,その考え方を解説する。

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