Japanese
English
臨床報告
数日間の経過をみて診断し得た特発性大網捻転症の1例
A case of primary torsion of the greater omentum
羽田野 直人
1
,
今村 祐司
1
,
中光 篤志
1
,
香山 茂平
1
,
上神 慎之介
1
,
角 重信
1
Naoto HADANO
1
1マツダ病院外科
キーワード:
特発性
,
大網捻転症
,
診断
Keyword:
特発性
,
大網捻転症
,
診断
pp.228-231
発行日 2011年2月20日
Published Date 2011/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103432
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要旨
症例は19歳,女性.右下腹部痛にて発症し近医を受診した後,急性虫垂炎の疑いにて当科へ紹介となった.初診時の腹部CT検査では軽度の上行結腸の壁肥厚と,その周辺の脂肪織の濃度上昇を認めたが,虫垂の腫大や憩室の存在は認めず,抗菌薬投与による保存的治療を開始した.しかし,入院後2日経過しても腹部症状が改善せず,血液検査では炎症反応が増悪,再検した腹部CT検査の結果,前回認めた脂肪織は大網に連絡するスポンジケーキ様の腫瘤状影として描出された.よって,大網捻転症を疑い緊急手術となり,腹腔鏡検査にて本症と確認し,血行障害を呈する大網を切除した.原因不明の下腹部痛に対しては,本疾患も念頭に置き適切な治療を選択する必要があると思われた.
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