Japanese
English
臨床報告
術前診断に難渋した早期食道悪性黒色腫の1切除例
A case of early malignant esophageal melanoma not diagnosed preoperatively
戸谷 裕之
1
,
川島 吉之
1
,
有馬 美和子
2
,
大庭 華子
3
,
黒住 昌史
3
,
田中 洋一
1
Hiroyuki TOYA
1
1埼玉県立がんセンター消化器外科
2埼玉県立がんセンター消化器内科
3埼玉県立がんセンター病理科
キーワード:
食道悪性黒色腫
,
食道メラノーシス
,
診断
Keyword:
食道悪性黒色腫
,
食道メラノーシス
,
診断
pp.232-236
発行日 2011年2月20日
Published Date 2011/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103433
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要旨
症例は65歳,男性.上部消化管内視鏡にて門歯より31cmの食道に15mm長の黒色斑を発見され,悪性黒色腫疑いにて紹介された.生検標本では,良悪性の判定は困難であった.診断的内視鏡治療を含め治療方針を検討し,食道悪性黒色腫疑いとして胸腔鏡下食道亜全摘,リンパ節郭清を施行した.病理組織診断は悪性黒色腫であった.背景の食道には粘膜基底側に沿って配列するメラノサイトの増生を広範に認め,背景病変または前駆病変の可能性が示唆された.食道悪性黒色腫の初期病変が疑われるが確定診断に至らない場合,現在の治療の選択肢としては根治手術であるが,診断的内視鏡切除を加えることで,より適切な治療を行える可能性が高くなると考えられる.
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