Japanese
English
特集 「出血量ゼロ」をめざした消化管癌の内視鏡下手術
〔直腸癌〕
術前照射後の低位前方切除術
Laparoscopic low anterior resection after neoadjuvant chemoradiotherapy
奥田 準二
1
,
田中 慶太朗
1
,
近藤 圭策
1
,
浅井 慶子
1
,
番場 嘉子
1,2
,
茅野 新
1
,
山本 誠士
1
,
鱒渕 真介
1
,
谷川 允彦
1
Junji OKUDA
1
1大阪医科大学一般・消化器外科
2東京女子医科大学第二外科
キーワード:
術前照射
,
腹腔鏡下低位前方切除術
,
出血制御
Keyword:
術前照射
,
腹腔鏡下低位前方切除術
,
出血制御
pp.1662-1670
発行日 2010年12月20日
Published Date 2010/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103349
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要旨:下部直腸進行癌の原発巣がbulkyで周囲浸潤が疑われる場合には,surgical marginの確保(特にRM0)が困難なことが多く,術前放射線・放射線化学療法の腫瘍縮小効果の有用性が報告されている.一方で,近年,拡大視や近接視効果により,直腸癌に対しても腹腔鏡下手術を導入する施設が増加している.当科では,2006年よりbulkyなA~(AI)の下部直腸進行癌に対して術前化学放射線療法(NACRT)を行った後に腹腔鏡下手術を行っている.ただし,NACRT後には照射野の組織の浮腫や線維化のため,下部直腸の剝離操作に十分な注意を要し,特に骨盤内での出血の予防や止血に留意することが必須となる.この際,NACRT後の変化に加えて癌の進展範囲も含めた最適な剝離層を十分に視極めつつ,適切なデバイスを的確に用いることが出血制御のうえでも最も重要となる.
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