ひとやすみ・60
病室での心の癒し
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.895
発行日 2010年6月20日
Published Date 2010/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103104
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- 文献概要
「坂の上の雲」の主人公である正岡子規の全生涯は35年と短かったが,俳人・歌人として大活躍した.しかも,人生の後半は脊椎カリエスに罹患し,ほとんど寝たきり状態での獅子奮迅であった.また,6畳の書斎兼病室から望む20坪の庭の風情を愛で,情緒豊かに書き残している.
病院に入院すると,患者さんは病室という限定された空間での生活を余儀なくされる.病は体の障害であるが,気持ちも大いに落ち込む.心を癒してくれるものとして,家族との会話,懐かしの写真,花,テレビ,読書などがある.しかし,自然に接し,自然に抱かれると誰もが安らぎを得るものである.入院すると自由に出歩くことは叶わないが,病室においても自然を楽しむことはできる.
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