昨日の患者
病室から月を愛でる
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.1048
発行日 2010年7月20日
Published Date 2010/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103136
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いくら説明をしても,相手を納得させることは至難の業である.いわんや黙していては,相手は関心さえ示してくれないのが世の常である.しかし,沈黙していても,お互いの気持ちを理解し合えることもある.
Tさんは慢性便秘を訴えて来院した.検査を行うと大腸癌であり,多発性肝転移も認めた.しかし,80歳代後半でもあるため,単に大腸切除術のみが行われた.術後経過は良好で,娘さんに付き添われて退院した.癌が進行し,半年後に食欲不振で再入院した.補液により一時的ながら全身状態が改善した.
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