Japanese
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臨床報告
術前化学療法が奏効し根治切除が可能となった巨大膵粘液性囊胞腺癌の1例
A case of giant mucinous cyst-adenocarcinoma of the pancreas treated by curative surgery following neoadjuvant chemotherapy
原 康之
1
,
臼田 昌広
1
,
中野 達也
1
,
平野 拓司
1
,
望月 泉
1
,
小野 貞英
2
Yasuyuki HARA
1
1岩手県立中央病院消化器センター外科
2岩手県立中央病院消化器センター病理部
キーワード:
膵粘液性囊胞腺癌
,
術前化学療法
,
ゲムシタビン
Keyword:
膵粘液性囊胞腺癌
,
術前化学療法
,
ゲムシタビン
pp.885-889
発行日 2010年6月20日
Published Date 2010/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103102
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要旨:症例は28歳,女性.2004年2月上腹部腫瘤を主訴に近医を受診し,精査目的で当院に入院した.腹部CTで左上腹部に多房性囊胞性腫瘤を認め,中等量の腹水が貯留していた.腫瘍マーカーも著明に上昇しており,癌性腹膜炎を併発した膵粘液性囊胞腺癌と診断し,ゲムシタビン単剤投与を8クール施行した.投与後,腫瘍マーカーが著明に低下し,腹水も消失したため切除可能と判断し,開腹術を施行した.横行結腸合併切除を伴う膵体部の部分切除で腫瘍を完全に切除し得た.病理診断で粘液性囊胞腺癌であった.今回われわれは,術前化学療法が奏効し根治切除が可能となった巨大膵粘液性囊胞腺癌の1例を経験したので報告する.
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