Japanese
English
臨床報告
中毒性巨大結腸性イレウスで発症した結腸癌術後劇症型偽膜性腸炎の1例
Fatal pseudomembranous colitis associated with toxic megacolon
西江 学
1
,
岩垣 博巳
1
,
村上 敬子
2
,
友田 純
2
Manabu NISHIE
1
1国立病院機構福山医療センター外科
2国立病院機構福山医療センター内科
キーワード:
偽膜性腸炎
,
中毒性巨大結腸症
,
敗血症
,
大腸癌
,
CD toxin
Keyword:
偽膜性腸炎
,
中毒性巨大結腸症
,
敗血症
,
大腸癌
,
CD toxin
pp.735-739
発行日 2010年5月20日
Published Date 2010/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103071
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要旨:患者は横行結腸癌で結腸部分切除術を施行した53歳の女性である.術後3日目には食事を開始し,特に問題はなかったが,術後11日目にイレウス症状を認めた.イレウス管を挿入したが改善しないため,術後13日目に緊急大腸内視鏡検査を施行し,偽膜性腸炎の確定診断を得た.Vancomycinの投与を開始したが,術後15日目には敗血症性ショックをきたし,持続的血液濾過透析などの集中治療を施行したが,多臓器不全で術後23日目に死亡した.近年,国内でClostridium difficile(CD)感染による偽膜性腸炎は増加しているが,下痢症状を伴わない中毒性巨大結腸症として発症するタイプは稀ではある.劇症型であることが多く,不幸な転帰をとることが多いので報告する.
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