特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
9.そのほか
乳腺の縫合
中村 清吾
1
Seigo NAKAMURA
1
1聖路加国際病院乳腺外科
pp.404-407
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102849
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はじめに
わが国でも乳房温存療法は早期乳癌の標準治療となり,全手術の約60%に行われている.さらに近年,oncoplastic surgery(腫瘍形成外科)という名のもとに,乳房温存手術において左右バランスのとれた綺麗な乳房を残す技術が,学問として整理されてきた1,2).
例えば,腫瘍直上の皮膚を切開すれば直視下に腫瘍を見据えつつ手術ができるので手術操作は容易であるが,その代償として乳房の表面に少なくとも4~5cmの創ができ,どのように工夫してもある程度は目立ってしまう.そこで手術創はなるべく乳輪切開として色の境目におくことで,時間の経過とともにほとんど目立たなくさせるという考え方が出てきた.そのための工夫として,周囲乳腺の剝離技術や縫合法が考案されてきた.以下に,乳輪切開法における乳腺縫合法についての詳細を述べる.
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