特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
7.膵・脾
膵-空腸吻合:膵断端空腸内嵌入法
木下 壽文
1
Hisafumi KINOSHITA
1
1久留米大学医学部外科学
pp.332-335
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102832
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はじめに
膵頭十二指腸切除術の再建術式のなかで最も重要な吻合は膵-空腸吻合である.特に膵管の拡張がなく膵組織が軟らかい場合の吻合には注意を要する.膵断端空腸内嵌入法では,膵断端の膵組織が直接消化液に曝されて二次的障害を受けないように膵断端を空腸壁で十分に覆っている.縫合にはatraumatic needleの非吸収性縫合糸(ナイロン糸)を用いると出血,血腫形成も少なく強固な吻合ができる1,2).膵断端空腸内嵌入法は操作が簡単であり,膵を空腸内に重積させるので接合面が広く,強固で安全性も高いため賞用される術式である3).
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