特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
5.大腸
結腸右半切除術における器械による小腸-結腸吻合
野澤 慶次郎
1
,
渡邉 聡明
1
Keijiro NOZAWA
1
1帝京大学医学部外科
pp.222-226
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102804
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はじめに
器械吻合に必要な自動縫合器・吻合器は20世紀に大きく進歩し,現在は腹腔鏡下手術では不可欠となった1).自動縫合器・吻合器の基本的な特長は,縫合・吻合の際の時間短縮,出血量の減少,さらに術者の経験に左右されない安定した結果を期待できることであるが,手術を安全・確実に成功させるためには,器械の特徴,使い方の習得が必要である2).
まず,器械吻合はすべて漿膜面同士が接合する吻合であること,適切な組織の圧縮と確実な切離縫合が求められることを理解する.種類は,直線状の縫合を行うものを自動縫合器(linear stapler),環状の縫合を行うものを自動吻合器(circular stapler・環状吻合器)として扱うことが普通である.
近年,自動吻合器・縫合器の安全性・確実性の向上と簡便性から,消化器外科領域では縫合・吻合のほとんどを器械で行うようになり,大腸外科においても自動縫合・吻合器が頻用されている3).しかし,結腸右半切除術の小腸-結腸吻合においては未だに手縫い吻合が繁用されているのが現状である.
ここでは,自動縫合器,吻合器の代表的なものの特徴と実際の使用方法について述べる.
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