Japanese
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特集 胆囊癌根治手術をめぐる諸問題
〔Binf陽性例〕
Binf陽性例(黄疸例)の根治手術―その手術適応
Surgical resection indications for gallbladder cancer involving extrahepatic bile ducts
西尾 秀樹
1
,
江畑 智希
1
,
菅原 元
1
,
伊神 剛
1
,
横山 幸浩
1
,
深谷 昌秀
1
,
上原 圭介
1
,
梛野 正人
1
Hideki NISHIO
1
1名古屋大学大学院医学系研究科腫瘍外科
キーワード:
胆囊癌
,
Binf
,
黄疸
Keyword:
胆囊癌
,
Binf
,
黄疸
pp.1107-1114
発行日 2009年8月20日
Published Date 2009/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102662
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要旨:pBinf陽性例の5年生存率は12%と,pBinf陰性例(5年生存率は36%)に比べると低い値ではあったが,非切除例より良好な結果であった.さらに11例が5年生存しており,胆管浸潤のある症例は原則的には切除するべきと考えられた.R因子と遠隔転移の有無に分けて胆囊癌切除例の生存曲線を比較検討した結果,少なくとも明らかに癌が遺残する症例や遠隔転移があって切除マージンに癌が遺残しそうな症例は切除の対象にすべきではない.また,pBinf陽性にもかかわらず5年生存した11例を検討すると,pHinf陽性例やリンパ節転移陽性例も含まれ,必ずしも進行度が低いというわけではなかったが,大動脈周囲リンパ節転移,肝転移,腹膜播種,腹腔外遠隔転移を伴う症例はなく,全例R0切除であった.以上から,胆管浸潤というだけで切除の適応から除外すべきではない.胆管浸潤があっても遠隔転移がなく術前診断において肉眼的治癒切除が得られると判断したら,積極的に切除の適応とするべきである.
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