コーヒーブレイク
新御3K
板野 聡
1
1寺田病院外科
pp.707
発行日 2009年5月20日
Published Date 2009/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102577
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- 文献概要
医局での雑談のなかで,日本では何かにつけて物事を3つ並べて言うことが多いという話題になり,時代劇好きの私は尾張,水戸,紀伊の御三家を挙げることになりました.カラオケ好きの先生からは,御三家と言えば郷ひろみ,西条秀樹,野口五郎の3人ですねと言われ,いやそれは新御三家で元々の御三家は……となり,私の歳がばれそうになったので,外科では御三家ならぬ「御3K」というものがあるじゃないかと洒落たところでその場はお開きとなりました.
興味本位にこの「3K」を調べてみると,人事労務用語辞典に『主として若者労働者が敬遠する「きつい」「汚い」「危険」な労働を,頭文字をとって3Kと呼ぶ』とあり,元は外科に限ったことではないと知りました.また,この言葉は1990年頃から流行りだしたようで,人手不足が顕在化したことがベースにあったと言います.そう言えば,外科界で言われるようになったのも,若い先生方の外科離れが問題なった頃からではないかと思われ,なるほどと納得することになりました.一体何のためにこの言葉を外科界に持ち込んだのかはわかりませんが,案外,自分達の過酷な労働状況を端的に表現するために,外科医自身が使い始めたのかもしれません.しかし,それでは余りにも自虐的であり,少しでも元気が出るように新御三家ならぬ「新御3K」を考えてみることにしました.
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