これすぽんでんす
斎田先生の御意見に対して
内田 玲
1
1山梨医科大学皮膚科学教室
pp.783
発行日 1989年6月1日
Published Date 1989/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204163
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今回は私共の症例に対し貴重な御意見をありがとうございました.
症例2は先生の御指摘どおり,臨床的には良性の色素性母斑を思わせ,また悪性黒色腫(mm) in situの斎田基準1)には合致するものではなく,本基準を適用すると良性とせざるを得ません.しかし,木例は臨床的には全く良性とみえても,病理組織学的には細胞の異型性があり,同時に有棘層の孤立性異型メラノサイトの増殖が認められたのでAckermanに従ってmm in situと報告しました.良性母斑にも異型性があったり,もしくは有棘層の異型の孤立性メラノサイトの増殖があるとの御意見に関しては,どの程度のものを良性とし,また悪性とするのか,その診断根拠がやや不明です.そのような病変は臨床的には良性にみえても,悪性の可能性があるのではないかとするのが我々の考えです.大きさの問題にしても,大切なことはすべてのmmが良性の母斑から生じるのではなく,mm in situとして生じる際にはφ6mm以下の小さい病変がいくらでもあると考えられることです.
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