これすぽんでんす
山田先生の御意見に対して
稲冨 徹
1
1日本大学医学部皮膚科学教室
pp.498
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204108
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今回は私共の症例に対し,貴重な御意見をありがとうございました.現在アメリカ留学中のため,御返事が遅れましたことを紙面を借りてお詫び申し上げます.
はじめに自験例の診断について.臨床的に主たる皮疹は多発性の結節であり,組織学的にepidermotropism,Pautrier膿瘍を欠くことなどから菌状息肉症(以下MF)は考えませんでした.経過中,播種性に粟粒大丘疹が出現しましたが,組織学的に同部には異型細胞を認め得ず,湿疹様変化と考えられました.これらと併せ,組織学的,免疫学的な検索によって異型性のあるhelper/inducer T cellのmonoclonalな増殖を認めたため,MF,セザリー症候群(以下SS)とは異なるT cell由来のlymphomaと自験例を考え,CTCLと診断致しました.
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