Japanese
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特集 脾臓をめぐる最近のトピックス
脾温存膵体尾部切除術の意義
Clinical significance of spleen preserving distal pancreatectomy
木村 理
1
,
平井 一郎
1
,
矢野 充泰
1
Wataru KIMURA
1
1山形大学医学部消化器・一般外科
キーワード:
脾温存膵体尾部切除術
,
術後免疫能
,
肺梗塞
,
脳梗塞
Keyword:
脾温存膵体尾部切除術
,
術後免疫能
,
肺梗塞
,
脳梗塞
pp.437-440
発行日 2009年4月20日
Published Date 2009/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102523
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要旨:脾温存膵体尾部切除術は,通常の脾合併切除の膵体尾部切除より手術時間は若干長くなるものの,膵液瘻による後出血や脾捻転も経験しておらず,安全に施行できる術式である.脾温存によって術後の血小板数増加は有意に抑えられ,術後の肺梗塞や脳梗塞を予防できると考えられる.そのほか,免疫能や左横隔膜下への小腸の落ち込みが少なくイレウス防止にも有用と思われる.また,左胃動脈を切離する幽門側胃切除を施行しても脾動脈から短胃動脈を介した噴門側の胃の血流は保たれることも利点である.今後,良性・良悪性境界病変に対して脾温存膵体尾部切除術は積極的に行われるべき術式であると考えられる.
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