特集 肛門疾患診療のすべて
5.痔核
内痔核
内痔核の手術療法―インドシアニングリーン併用半導体レーザー治療の成績と今後の方向性
矢ヶ崎 千良
1
,
黒川 彰夫
2
Chiyoshi YAGASAKI
1
1仁愛会茅根病院
2黒川梅田診療所
pp.137-145
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102328
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要旨 インドシアニングリーンを痔核内に注入して805nm波長の半導体レーザーを照射する治療法は低侵襲である.レーザー光はICGに吸収されてブロックされるため,肛門括約筋に侵襲を与えず,痔核内の色素部分だけを焼灼・凝固できる.照射面はびらんを作るが潰瘍化や壊死化することはなく,2~4週の間には外観上,正常化する.本手術法による再発率は7.5%であった.しかし,Goligher分類でⅠ度程度の痔核が非再発例の約80%に認められた.安全性はきわめて高く,今日まで副作用の報告はみられていない.本稿では,当院で4年間に行った123例の半導体レーザー手術の再発率などを調べ,今後のICG併用半導体レーザーの方向性についての考察を述べた.
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