目で見る外科標準術式・50
痔核に対する半導体レーザー法(ICG併用)
碓井 芳樹
1
Usui Yoshiki
1
1碓井サテライトクリニック
pp.893-898
発行日 2004年7月20日
Published Date 2004/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100680
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はじめに
筆者は現在無床診療所で日帰り手術を行っている.痔核に対しインドシアニングリーン(以下,ICG)併用の半導体レーザー治療(以下,本治療法)を単独で行うこともあるが,従来の結紮切除術,ゴム輪結紮術などに併用して行うことのほうが多く,症例ごとそして痔核ごとに使い分けていることを明記しておく.
半導体レーザーは従来のレーザーに比べ小型軽量で,電源は通常の100 Vで使用でき,冷却水やウオーミングアップの必要がないという特徴があるが,一番の特性はICGの吸収ピークと半導体レーザーの発振波長が805nmでぴったり一致することである.
この特性を使って鈴木ら1)が食道静脈瘤などの治療を行った.つまり,ICGを粘膜下の静脈瘤周囲に注入し,低出力で照射することによって,粘膜面に欠損を生ずることなく,粘膜下に注入したICGにより半導体レーザー光の吸収が増強され,静脈瘤を選択的に凝固治療でき,かつ固有筋層へのレーザーによる傷害が回避されたのである.これを筆者2,3)が痔核治療に応用し,良好な成績をすでに報告した.しかし,本治療法は歴史が浅く,長期予後の成績は出ていない.
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