特集 肛門疾患診療のすべて
4.肛門疾患の検査法
肛門疾患の画像診断―深部痔瘻に対するジャックナイフ位MRI法
加川 隆三郎
1
,
野村 英明
1
,
友井 正弘
2
Ryuzaburo KAGAWA
1
1洛和会音羽病院大腸肛門科
2洛和会音羽病院放射線科
pp.61-70
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102320
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要旨 これまでのわが国の論文では,坐骨・骨盤直腸窩痔瘻の原発巣膿瘍は,後方の肛門挙筋の下方,尾骨に付着する浅外肛門括約筋の上方に存在する深肛門後隙(Courtney腔)に存在するとされてきた.しかし,ジャックナイフ位MRI法による検討では浅外肛門括約筋の筋束は直接には尾骨に付着せず,実際には深肛門後隙と呼べる領域は存在しなかった.109例の坐骨・骨盤直腸窩痔瘻の全症例で原発巣膿瘍は後方の内外肛門括約筋間,あるいはこれに連続する破壊された外肛門括約筋内に存在していた.ジャックナイフ位MRI法によって明らかとなった肛門括約筋の構造,深部痔瘻の原発巣膿瘍の存在部位,痔瘻癌との鑑別診断について報告する.
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