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臨床研究
内痔核に対するALTA療法151例の検討―ALTA療法は内痔核に対して標準術式に成り得るか
ALTA therapy for internal hemorrhoids:a study of 151 cases: Can ALTA therapy be established as standard therapy for internal hemorrhoids?
岡崎 誠
1
Makoto OKAZAKI
1
1市立伊丹病院外科
キーワード:
内痔核
,
ALTA療法
,
結紮切除術(Milligan-Morgan法)
Keyword:
内痔核
,
ALTA療法
,
結紮切除術(Milligan-Morgan法)
pp.1253-1257
発行日 2008年9月20日
Published Date 2008/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102265
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はじめに
内痔核に対する治療法には昔から種々のものがある.現在も広く行われているものとしては(1)保存的治療,(2)硬化療法,(3)手術療法がある.また,手術の方式にも,一般的な結紮切除法やゴム輪結紮法,また最近ではイタリアのLongoが提唱したcircular staplerによる環状粘膜切除術(procedure for prolapse and hemorrhoids:PPH:Longo technique)がある.一方,硬化療法としては出血に対して有用なパオスクレー®(5%フェノールアーモンド油)の注射がわが国では長年,行われてきた.しかし,この方法は内痔核の2大症状の1つである脱肛には効果がなく,また,出血に対しては有用であるが効果の持続は限定的であった.
一方,中国では1975年頃から消痔霊と称した薬物が内痔核に対して広く使用されており1),わが国でも2005年3月に硫酸アルミニウム・タンニン酸注射(aluminium potassium tannic acid:以下,ALTA.商品名ジオン®)として正式に発売された.しかし,この薬物は特殊な注射法(4段階注射)が必要なうえ,現時点では長期成績を含む臨床成績が蓄積されていない2~5).
当院では2006年1月からALTA療法を開始し,2008年1月までの約2年間に151症例(157回)に対して行った.本稿ではその臨床成績を検討し,ALTA療法が内痔核に対する標準治療になり得るかを検討した.
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