元外科医,スーダン奮闘記・26
ロシナンテスを襲う黒い影
川原 尚行
1
Naoyuki KAWAHARA
1
1NPO法人ロシナンテス
pp.839-840
発行日 2008年6月20日
Published Date 2008/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102167
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高校時代の後輩外科医の死
昨年末のことである.スーダンでの明け方に日本から電話があった.「Hが死にました」Hは外科医であり,私の高校時代のラグビー部の後輩である.スーダンへも来てくれ,手術をしてくれた.その彼の突然の死である.奥さんと2人の子供を残してである.彼が亡くなる前日に部屋の大掃除をして,Hが持ってきてくれた「頑張れロシナンテス!」と書かれた彼の同僚,家族からの応援メッセージが目にとまった.そして,ロシナンテスのメンバーである霜田君へプレゼントした彼のジャケットが出てきて,クリーニングに出したつぎの日に彼の訃報が届いた.日本に家族を残している私としては,彼の家族のことを考えると悲しみがたまらなく襲ってきて,スーダンで涙にくれた.彼のご冥福を祈っている.そして,ご家族のこれからの人生を思うばかりである.
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