病院めぐり
JR東京総合病院外科
田中 潔
1
1JR東京総合病院外科
pp.842
発行日 2008年6月20日
Published Date 2008/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102168
- 有料閲覧
- 文献概要
当院の歴史はきわめて古く,今からなんと96年前の明治44年5月に常盤病院として発足しました.大正3年6月に「東京鉄道病院」と改称し,当時の鉄道省の所管となり,昭和33年10月には「中央鉄道病院」と改称されました.以来,国鉄の純粋な職域病院として医療を行ってきました.保険が有効なのは国鉄職員とその扶養家族だけでしたので,たとえ現役医師の両親であっても患者さんの健康保険が国鉄共済以外の場合は全額自費払いとなる有様でした.私事ですが,私の母が大腿骨骨折で骨頭置換術を受けた際には百数十万円の医療費をすべて自費で支払った思い出があります.当時の国鉄職員の定年は55歳でしたので,患者さんは基本的にはみな若く元気であり,疾患も偏ったものでした.
しかし,このままでは疾患内容,患者数,診療レベルのどれをとっても病院の将来的な発展は期待できないと危惧され,近隣医師会との長期にわたる協議・折衝の結果,昭和62年4月に念願であった病院の一般開放が実現し,昭和63年4月には現名称に改められました.現在でもJR東日本旅客鉄道会社が直接経営する企業病院として社員の健康管理,病気治療にあたっていますが,同時に,周辺地域社会に貢献する第一線病院として地域医療も担っています.患者さんのうちに占めるJR社員の割合は,最近では入院患者の10%,外来患者の25%ほどであり,一般患者さんが大部分を占めるようになっています.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.