外科学温故知新・34
乳腺外科
綿谷 正弘
1
Masahiro WATATANI
1
1近畿大学医学部外科乳腺内分泌部門
pp.669-677
発行日 2008年5月20日
Published Date 2008/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102132
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1 はじめに
罹患数と死亡数の増加から,今や乳癌は社会的関心事となって,2007年4月に施行された「がん対策基本法」のなかで乳癌対策が重要事項として取り上げられた.過去には乳癌治療の主体は手術にあり,外科医が中心になされてきた.しかし現在では,外科医だけでなく,腫瘍内科医,放射線科医,形成外科医,病理医など様々な領域の医師および臨床検査・放射線技師,看護師,薬剤師からなる多職種医療チームで,情報を共有しながら乳癌治療がなされるようになってきている.
本稿では乳癌外科治療の変遷をたどりながら,現在行われているエビデンスに基づいた標準的治療のなかで個々の患者に適した個別化治療について述べ,そして乳癌治療の今後の展望について触れてみたい.
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