Japanese
English
特集 術前・術中のリンパ節転移診断の方法とその有用性
肺癌における術前・術中のリンパ節転移診断の方法とその有用性
The application and efficacy of pre-and intra-operative lymph node staging in non-small cell lung cancer:an update on available techniques
坪井 正博
1
,
佐治 久
1
,
井上 達哉
1
,
嶋田 善久
1
,
加藤 治文
1
Masahiro TSUBOI
1
1東京医科大学病院呼吸器外科・甲状腺外科
キーワード:
非小細胞肺癌
,
病期分類(staging)
,
リンパ節
,
術前・術中検査法
Keyword:
非小細胞肺癌
,
病期分類(staging)
,
リンパ節
,
術前・術中検査法
pp.325-335
発行日 2008年3月20日
Published Date 2008/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102057
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:非小細胞肺癌(NSCLC)の疑い例/確診例のstagingにあたって臨床医が検討すべき要素は多岐にわたるが,病理学的にリンパ節転移(N2)がある否かは治療戦略や予後を大きく左右するため,その同定は特に重要である.最近の研究から,このような患者に対する補助療法または術前補助療法の適応が標準化されつつあることから,臨床的早期の患者ならびに臨床的N2に分類され術前療法を施行した患者に対しては特にリンパ節転移の状況を正確に評価することが臨床上肝要であることは論を俟たない.一体型陽電子放射断層撮影・コンピュータ断層撮影装置(PET-CT)や経食道または経気管支の超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA,EBUS-TBNA)といった新しい検査法は低侵襲性で,これまで縦隔鏡のみにゆだねられてきた細胞組織学的な縦隔リンパ節転移の正診率の向上に役立つ可能性がある.このような新たな検査法は,その普及に伴ってstagingおよび治療において重要な位置を占めるようになることが予想される.術中リンパ節郭清については安全性を示唆するエビデンスが集積されており,予期しない縦隔リンパ節転移を同定する,より有効な方法としてリンパ節サンプリングに代わっていくものと思われる.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.