Japanese
English
今月の主題 咽頭・頸部食道癌の鑑別診断
序説
咽頭・頸部食道癌の鑑別診断
Introduction
吉田 操
1
Misao Yoshida
1
1財団法人早期胃癌検診協会
キーワード:
咽頭癌
,
食道癌
,
内視鏡診断
,
早期癌
,
検診
Keyword:
咽頭癌
,
食道癌
,
内視鏡診断
,
早期癌
,
検診
pp.303-305
発行日 2012年3月25日
Published Date 2012/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113118
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はじめに
食道癌の早期発見が進み,その大部分を占める扁平上皮癌の上皮内癌・粘膜癌の形態と病態が明らかになった.この結果,多くの食道粘膜癌が内視鏡治療で根治可能となり,食道癌の治療において食道機能の温存と長期生存が両立することになった.咽頭癌は頭頸部癌の一部を構成するが,その頻度は,食道癌に比べて低い.しかし食道癌と頭頸部癌,なかでも咽頭癌は,密接な関係を有しており,同時性あるいは異時性に合併する頻度が高いことは周知の事実である.このため,早期食道癌の治療計画時だけでなく,内視鏡治療後の経過追跡にも咽頭癌を早期に発見し,治療することが不可欠な要件となった1).また,喉頭癌は50歳以上の男性に多く,しかも増加傾向が明らかな疾患である.既にそして急速に高齢化の進むわが国では,今後,咽頭癌の早期発見が重要性を増すことは間違いない2).上部消化管の内視鏡検査の高機能化,デジタル化により実現した画像強調観察法・拡大観察法により咽頭癌の早期発見は確実に容易になった3).同時に,この領域特有の難しさも存在する.これまでの成果を整理して,残された課題を明らかにすることに大きな意義がある.
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