特集 癌診療に役立つ最新データ2007-2008
Ⅹ.膵癌
膵癌の診断に関する最新のデータ
若林 久男
1
,
鈴木 康之
1
Hisao WAKABAYASHI
1
1香川大学医学部消化器外科
pp.315-319
発行日 2007年10月22日
Published Date 2007/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101918
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要旨:日本膵臓学会膵癌登録の20年(1981~2002年)の総括によると,膵癌切除例の平均生存期間は11.7か月,5年生存率は13.4%で,管状腺癌に限ると10.7%と,膵癌は最も予後不良の消化器癌の1つである.しかし,直径2cm以下の小膵癌では5年生存率は45.8%で,やはり他臓器の癌と同様に早期発見が予後向上に重要である.また,予後規定因子として腫瘍径(2cm以下),リンパ節転移がないなどの腫瘍側因子のほかに,治癒切除や化学療法などの治療因子が重要視されており,正確な進行度,すなわち病期(staging)診断が治療方針の決定や予後推定に必須である.近年の診断機器の進歩により膵癌の診断体系も変化してきており,本稿では最近発刊されたガイドラインに沿い,診断に関するデータを紹介する.
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