臨床外科交見室
「タイムアウト」―患者さんの安全のために
町 淳二
1
Junji MACHI
1
1ハワイ大学医学部外科
1University of Hawaii, Department of Surgery
pp.1406-1407
発行日 2007年10月20日
Published Date 2007/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101862
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ちょっと休んで考えてみてください.「タイムアウト」と聞いて何を思いうかべますか? 野球やバスケットなどのスポーツの最中に,試合を一時中断して作戦を指示したりするときに「タイムアウト」を取りますね.何かの作業を一時中止し,しばし思考・判断する際に「タイムアウト」が取られます.米国では(日本でも同じでしょうか)「タイムアウト」をするときに,左右の手で「T」の字をかざして周りの人の注意を引きます.最近,実はこの「タイムアウト」を病院でよく取るのです.
医療上,医療の安全は患者さんに行うべき最重要課題の1つです.ヒポクラテスの時代から“Do no harm”が医療行為の大原則でした.しかし,“To err is human”(エラーを犯すのがヒトである)と言われるように,ヒトによる医療行為に絶対の安全はあり得ません.そうは言っても,医療ミスやエラーはそうしょっちゅう起きていることではない,と思っている方も多いのではないでしょうか?
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