臨床外科交見室
地方の私立総合病院小児外科の小さな挑戦―「小児外科」存亡の危機?に一言
末 浩司
1
Koji SUE
1
1飯塚病院小児外科
pp.1446
発行日 2007年10月20日
Published Date 2007/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101873
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当小児外科は小さな科ではあるが,この田舎町で20年あまりそのともし火が絶えないように努力してきた.ところが,世のなかには現在の専門科の数を減らし,小児外科などいくつか名称を統廃合する計画があるという.そこでどうしても一言.
なぜそうなったのかは知る由もないが,今の患者さんは専門科を選べないほど馬鹿ではない.高齢者ならば迷うことがあるかもしれないが,私たちの扱う子供たちの若い親はこちらがびっくりするほどインターネットで調べ上げたうえ受診してくる.こんな田舎町でもそうである.ごく一部が寄り道をしてほかの科を経由し,受診してくるくらいだ.選ぶより選ばれる時代である.逆に,もっと専門科を増やして患者に選択肢を与えてもよいくらいと思う.もし患者が受診先を迷うのが心配ならば,受診前の相談窓口として近くの開業医や家庭医の充実にもっと力を入れるべきである.
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