外科学温故知新・25
脾・門脈外科
近藤 哲
1
Satoshi KONDO
1
1北海道大学大学院医学研究科外科学講座腫瘍外科学分野
pp.1259-1263
発行日 2007年9月20日
Published Date 2007/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101831
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1 はじめに
門脈圧亢進症(以下,門亢症)に伴う食道・胃静脈瘤に対しては,今日では硬化療法(EIS)や静脈瘤結紮術(EVL)などの内視鏡的治療によってほぼ出血をコントロールできるようになり,脾・門脈外科の出番は極端に少なくなった.しかし,内視鏡的治療が未発達であった往時は外科治療が主流で,様々な方法が試行された.なかでも,わが教室の加藤紘之名誉教授が完成された選択的シャント手術はきわめて合理的な手術であり,その理論的背景から筆者が学んだ門亢症の理解は今日でも活きている.
本稿では加藤名誉教授の総説1,2)を引用して選択的シャント手術を代表とする脾・門脈外科の流れを知り,その理念が現在どのように活きているかを最近経験した手術例で検証する.
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