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当院は平成3年2月に沖縄県北部地区医師会によって236床の病院として建設されました.当初は4床からのスタートで,全館稼動状態となるまでに数年を要しましたが,現在は内科(循環器,消化器,呼吸器,内分泌代謝,腎臓),外科系(一般外科,心臓血管外科,整形外科,産婦人科),検診センターの常勤医師36名をはじめ,職員数502名で24時間救急診療を行う急性期病院となっています.地域医療支援病院,地域がん診療連携拠点病院,管理型臨床研修指定病院,日本医療機能評価機構認定病院です.7:1看護の達成に際し,全国公募で北海道から八重山までの看護師が集まりました.
沖縄本島北部の名護市近郊の名護湾を見下ろす宇茂佐の丘の上に位置し,病院からの眺望は絶景です.周囲の海は多くのダイビングスポットがあり,山ではゴルフ場が10か所とゴルフが盛んで,女子プロの宮里藍や諸見里しのぶの出身地です.診療圏は名護市をはじめ,本部町,今帰仁村,大宜味村,国頭村,東村,伊江村,伊是名村,伊平屋村,宜野座村,恩納村,金武町の3離島を含む12市町村にまたがり,面積的には沖縄本島の3分の2を占め,その半分は山林です.人口は13万弱と本島中南部の1割程度に過ぎません.自然が多く残っている地域で,ヤンバルクイナやテナガコガネなどの貴重種が生息する森が広がっています.産業はマンゴー,パイン,サトウキビなどの農業,以前はイルカの追い込み漁が有名でしたが,現在は行われず,セイイカ,鰹漁,養殖の鯛,鮪などの漁業,基地,観光,公共事業が挙げられ,就業人口の7割はサービス業です.現在,地域振興か環境保全かの争点で普天間基地の名護市への移設に関して揺れている状態です.100歳超の長寿者が多い宜野座村など高齢化は進んでいますが,過疎化と人口増の混在する地域です.地域医療の問題点として,乳児死亡率が他地域と比べて高いこと,心血管疾患の罹患率が高いこと,産婦人科の医師数不足などがあります.
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