特集 医師会と保健所
保健所と地区医師会
村瀬 敏郎
1
1渋谷区医師会
pp.23-25
発行日 1974年1月15日
Published Date 1974/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204784
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保健所と地区医師会が地域医療の中でいかにコミュニケーションを持つべきかというテーマは,われわれ開業医にとって難問である.医療行政が内務省から厚生省に移り,監督官庁的色彩が薄れているはずなのに,医師会の中には保健所を「長いもの」としてみて,「巻かれている」ことを余儀なくされているムードがあった.医師会が育ってきたシェアーは治療医学であり,予防医学をとりあげることがあってもそれは個人特性の把握が中心であって,公衆衛生活動のうちでも集団特性や地域特性には比較的関心が薄く,保健所の仕事と医師会の領域をはっきりわけて考えていた.
私が医師会の公衆衛生担当理事になった頃は,「保健所でニヤニヤしてお茶を飲んでいるようでは駄目だ.予防課長の机の上に腰をおろして言いたいことをいって来るんだ.」と先輩に指導された.余分な仕事を引き受けてくるなという意味である.しかし,こうした傾向は数年来著しく変って来ている.
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