特別記事
タイ北部チェンマイ農村地区における健康問題に関する調査報告[1]
石井 八恵子
1
1慈恵青戸看護専門学校
pp.374-380
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900481
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はじめに
WHOがプライマリ・ヘルス・ケア(PHC)により“Health for by the year 2000”を提唱されて久しい。先進国の政府,研究機関,民間企業等の団体の参加,協力によりこの目標が実現しつつある。
わが国の保健医療技術もWHOの事業に大きな貢献がなされたと高く評価されている。1970〜80年代,東南アジアの開発途上国では経済開発をめぐる諸問題,不安定な政治問題,失業,貧困,犯罪などの社会問題,教育問題,感染症や多くの疾病,マンパワー,施設不足などの医療問題を抱えていた。途上国の最先端をいくタイ国では,いち早くプライマリ・ヘルス・ケアの保健医療対策に着手した。また,タイ国は1980年代の中頃より主な産業が農業から工業へと移り変わり,経済成長の発展の一途をたどりつつある。
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