特集 クリニカルパスによる外科医療の進歩
第Ⅰ部:クリニカルパス導入の実践
クリニカルパス作成の実例
1.甲状腺
甲状腺癌手術のクリニカルパス
池谷 俊郎
1
,
竹尾 健
1
,
矢島 純子
2
,
金子 京子
2
Ikeya Toshiro
1
1前橋赤十字病院外科
2前橋赤十字病院看護部
pp.40-44
発行日 2003年10月22日
Published Date 2003/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101554
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はじめに
甲状腺分化癌(乳頭癌,濾胞癌)は甲状腺悪性腫瘍の90%を占め,予後が比較的良好で,術後長期生存を期待できるため,合併症や後遺症のない手術治療が望まれる.しかし,手術の適応や手術術式については議論が多く,標準的な治療指針は確立されていない.髄様癌は多発内分泌腫瘍症(MEN)に合併することがあり,全身検索や他の合併腫瘍への治療が必要となることも多く,また未分化癌はきわめて悪性度が高く,集学的治療を行っても根治的な治療は困難で手術適応も少ない.このように甲状腺癌は多彩な病態を含んでいるが,手術治療にあたっては以下のような条件をもとに,クリニカルパス(以下,パス)を作成し,使用している.
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