文学漫歩
―スタンダール(著),小林 正(訳)―『赤と黒』―(1957年,新潮社刊)
山中 英治
1
Yamanaka Hideharu
1
1市立岸和田市民病院外科
pp.1378
発行日 2003年10月20日
Published Date 2003/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101534
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病院に数か月おきに日赤の採血車が来る.これでも外科医なので,自分が医師になってから出血させた量には到底及ばないが,せめてもの贖罪に半年に1回は400mlの献血をする.「見かけによらず血の気が多いから,もっと抜いてもらえば」「先生の血なんか輸血されたら,おやじギャグ言うようになってしまうわ」などと,当院の優しいナースにからかわれながら横たわる.チューブを流れる血液は,こんな私の血でも赤く美しい.
移動採血車は「宝くじ号」という名前で,宝くじ協会から寄贈されている.宝くじの当選金還元率は約半分なので儲かるわけがないし,パチンコと同じで考える要素がないので私は買ったことがない.博打はすべて胴元が儲かるようになっている.競馬や競輪などの還元率は75%である.ルーレットは比較的良心的で,0と00だけが胴元の取り分なので約95%が還元されるが最終的には負ける.
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