文学漫歩
―ベルゲングリュン(著)野島正城(訳)―『スペインのバラ』―(1962年,郁文堂刊)
山中 英治
1
Yamanaka Hideharu
1
1市立岸和田市民病院外科
pp.969
発行日 2003年7月20日
Published Date 2003/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101454
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臨床実習が学外の病院でも行われるようになり,当院にも学生が来たので病歴を記載させた.私達が学生の時はドイツ語で書かされたが,やがて英語になり,最近は日本語である.かつて大学にポーランドの留学生が来た時に,貴国では何語で記載するのかと訊ねたところ「当然ポーランド語である.日本人は何故ドイツ語やラテン語,英語などを日本語で繋いだ変な記載をするのか?」と言われた.確かに私のような凡人には母国語でなければ詳細な記述は不可能である.
私が研修医の頃,教授のシュライバーをしていると,間違いの多いドイツ語をよく直していただいた.ただし学生実習が始まると,私に恥をかかさぬように,私のは直さず学生のカルテだけを訂正された.学生が教授の質問に答えられない時,後で学生から「さっきの質問の答は何ですか?」とよく訊かれたが「僕が教えると勉強にならないから,自分で調べなさい」と答えていた.もちろん私は解らなかったからである.
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