目で見る外科標準術式・41
ヘルニア・システム法(外鼠径へルニアの場合)
下間 正隆
1
,
竹中 温
1
Shimotsuma Masataka
1
1京都第二赤十字病院外科
pp.1361-1368
発行日 2003年10月20日
Published Date 2003/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101529
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はじめに
成人外鼠径へルニアは胎生期の腹膜鞘状突起が遺残している状態に加えて,成人になってから横筋筋膜が脆弱化して内鼠径輪が開大したために症状が出現したものである.したがって,基本的には「ヘルニア嚢の処理」と「開大した内鼠径輪の縫縮」の2操作だけでヘルニア症状は消失する.しかし一般的には,将来発生する可能性のある直接ヘルニア(内鼠径ヘルニア)を予防するために後壁補強を付加している.
プロリン(R)・ヘルニア・システム(PHS)を用いて外鼠径へルニアを修復する場合,鼠径管後壁を補強するために腹膜前腔に下部パッチを留置する.下部パッチ留置スペースを作製するために,健常な鼠径管後壁(横筋筋膜)をかえって破壊して脆弱にしてしまうような粗暴な操作で腹膜前腔を剥離してはいけない.
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