Japanese
English
特集 外科における重症感染症とその対策
重症感染症時の炎症性cytokineのmodulationは可能か
Modulation of inflammatory cytokine mileu in sepsis
深柄 和彦
1
,
松田 剛明
2
,
齋藤 英昭
3
Fukatsu Kazuhiko
1
1防衛医科大学校防衛医学研究センター外傷研究部門
2コーネル大学医学部外科
3東京大学医学部附属病院手術部
キーワード:
抗サイトカイン療法
,
球状殺菌
,
経腸栄養
Keyword:
抗サイトカイン療法
,
球状殺菌
,
経腸栄養
pp.67-74
発行日 2003年1月20日
Published Date 2003/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101305
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要旨:重症感染症時の炎症性サイトカイン過剰産生は,代謝,呼吸循環動態の異常,免疫細胞による組織傷害を生じる.そのため炎症性サイトカインのはたらきを抑制する治療法の研究が進んできた.しかし,特定のサイトカインのみを,中和抗体や受容体拮抗物質などによってブロックする抗サイトカイン療法は,実際の大規模臨床試験では無効であった.最近は,サイトカインを投与することで,乱れたサイトカイン環境を改善する試みや遺伝子導入によってサイトカインレベルを調節する試みもなされているが臨床応用には遠い.感染症自体の適切な治療,抗生物質の選択,積極的な栄養管理,抗炎症薬の投与による高サイトカイン血症の予防と治療が効果的である.
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