綜説
炎症性疾患に対する生物学的製剤の応用性
森 雅亮
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生涯免疫難病学講座
キーワード:
全身型若年性特発性関節炎
,
クリオピリン関連周期性発熱症候群
,
川崎病
,
炎症性サイトカイン
,
抗サイトカイン療法
Keyword:
全身型若年性特発性関節炎
,
クリオピリン関連周期性発熱症候群
,
川崎病
,
炎症性サイトカイン
,
抗サイトカイン療法
pp.1173-1181
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000982
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炎症性サイトカインは,本来は生体の防御機能を担っているが,過剰に産出され放出されることで,病態形成にかかわることがある.小児における代表的な疾患が全身型JIA,CAPS,川崎病である.これらの疾患では,もちろん種々の炎症性サイトカインの産生があり,相互に産生を誘導する仕組みも判明しているが,実際には疾患に特有の先導的サイトカインがあり,そのサイトカインを遮断することで,炎症を終息に持ち込むことができる.本稿では,IL-6の過剰が病態形成にかかわっている全身型JIA,単一の遺伝子変異によりIL-1β過剰症となるCAPS,急性炎症性疾患である川崎病をモデル疾患として疾患の特徴を併せて提示した.
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