胃癌外科におけるリンパ節郭清の始まりとその展開・6
Billroth―1881年―からMikulicz―1898年―まで(2)
高橋 孝
1,2
Takashi TAKAHASHI
1,2
1たむら記念病院外科
2亀有病院
pp.1101-1111
発行日 2006年8月20日
Published Date 2006/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100961
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【体表癌での観察(3)乳癌―Moore,Halsted】
1881年のBillrothによる胃癌胃切除の成功以後の胃癌外科に戻る前に,もう1つの体表癌である乳癌の外科の動向をみてみましょう.当時の胃癌外科の背景を知るためであります.
近代以前の昔から,乳房に「しこり」を認めると,それと同時にあるいは時をおいて腋窩にも「しこり」をみるようになるのはよく知られたことでした.中世の頃から,乳房の「しこり」と腋窩の「しこり」両方の摘出に成功すれば患者はしばらくの間元気に過ごすことができることも知られていました.
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