胃癌外科におけるリンパ節郭清の始まりとその展開・8
Mikuliczの胃癌外科とその時代(2)―理論から実践へ
高橋 孝
1,2
Takashi TAKAHASHI
1,2
1たむら記念病院外科
2亀有病院
pp.1379-1388
発行日 2006年10月20日
Published Date 2006/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100984
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【Pólya, Navratilの胃リンパ流の研究】
臨床の壁を破るべき武器としての胃リンパ流の研究はGerotaと同郷,ブダペストの外科医PólyaとNavratilによってなされました.その論文1)はハンガリー王立ブダペスト大学解剖学教室からのものですが,筆者らの役職は前者がOperateur, Secundälrarzt,後者がOperationszöglingであり,王立医学会外科部会での1903年3月12日の講演をまとめたものです.
読者はPólyaの名を冠した胃切除後の胃空腸吻合法(BillrothⅡ法での結腸後・全胃断端空腸端側吻合)を思い出すことでしょう.GerotaとPólyaとの間には何らかの交流,意見交換があったことは容易に想像できますが,論文上ではGerotaの方法を採用したことのみを淡々と記述しているに過ぎません註1.
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