Japanese
English
特集 急性腹症における低侵襲な治療法選択
小児急性虫垂炎に対する保存療法の適応とinterval手術
Indication of conservative therapy and interval appendectomy for pediatric appendicitis
黒岩 実
1
Minoru KUROIWA
1
1群馬県立小児医療センター外科
キーワード:
穿孔性虫垂炎
,
虫垂膿瘍
,
保存療法
,
間欠期虫垂切除術
,
腹腔鏡下虫垂切除術
Keyword:
穿孔性虫垂炎
,
虫垂膿瘍
,
保存療法
,
間欠期虫垂切除術
,
腹腔鏡下虫垂切除術
pp.1057-1062
発行日 2006年8月20日
Published Date 2006/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100950
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要旨:小児の急性虫垂炎はしばしば診断・治療の遅れから穿孔し,虫垂膿瘍を形成する.虫垂膿瘍を伴う虫垂炎への緊急手術は,それ自体が困難なうえに術中・術後の合併症を生じやすい.これらを回避するため急性期は抗生剤を中心とする保存療法で炎症をいったん沈静化させ,あとで手術が行われる場合がある(interval appendectomy:以下,IA).保存療法後のIAの適応には議論があるが,施行する場合には開腹手術よりも低侵襲で種々の利点をもつ腹腔鏡下IAが好ましい.3か月間の待機後に腹腔鏡下IAが行われた自験9例では,腹腔内の癒着も軽度であり,全例でIAが完遂できた.IAを行う際は,治療期間短縮とコスト削減をはかるために,初回入院時の積極的な膿瘍ドレナージ,抗生剤の経静脈的投与から経口剤への切り替えなどを行い,再入院時のIAはday surgeryに準じた腹腔鏡下IAが考慮されるべきである.われわれが行っているIAの手順,手技を紹介するとともに,IAに関する問題点につき文献的考察を加えた.
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