Japanese
English
臨床研究
食道癌周術期管理における好中球エラスターゼ阻害剤の有用性についての検討
Utility of neutrophil elastase inhibitor in a patient treated for esophageal cancer
三松 謙司
1
,
加納 久雄
1
,
小倉 道一
1
,
久保井 洋一
1
,
大井田 尚継
1
Kenji MIMATSU
1
1社会保険横浜中央病院外科
キーワード:
食道癌
,
周術期管理
,
好中球エラスターゼ阻害剤
Keyword:
食道癌
,
周術期管理
,
好中球エラスターゼ阻害剤
pp.975-979
発行日 2006年7月20日
Published Date 2006/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100938
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はじめに
食道癌の手術侵襲は大きく,ほかの消化器癌手術と比較して術後の肺合併症の頻度が高い.食道癌術後には血中サイトカインや好中球エラスターゼが高値で推移することが報告されており1),このため,術後の循環動態は不安定で,肺の酸素化能障害が誘発される.これに対して,手術手技を改良して侵襲を軽減しようとする試みや炎症性サイトカインを制御する試みもされている.特に,好中球エラスターゼは組織障害を引き起こすプロテアーゼの代表であり,急性肺障害と密接な関係があるとされている2).近年,好中球エラスターゼ阻害剤であるシベレスタットナトリウム水和物(エラスポール(R))の急性肺障害に対する有効性が示されている3).
今回,われわれは食道癌手術において術後にエラスポール(R)を投与し,術後循環動態と肺障害の出現に影響を及ぼすか,その有用性を検討した.
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