特集 小外科・外来処置マニュアル
Ⅹ.その他
138.在宅自己導尿管理指導
後藤 俊弘
1
Toshihiro GOTO
1
1鹿児島市立病院泌尿器科
pp.408-409
発行日 2004年10月22日
Published Date 2004/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100914
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
尿失禁,排尿困難などの排尿障害は原因疾患の治療により軽快する例もあるが,排尿にかかわる神経系の障害によって発生する神経因性膀胱では原因疾患の治療が困難な場合も少なくなく,排尿障害に対する薬物療法の効果が不十分な例では長期にわたる排尿管理が必要となる.特に自排尿が十分でなく,多量の残尿を伴う高度の排尿困難や〓流性尿失禁は水腎症さらには非可逆性の腎不全をきたすため放置できない.
排尿管理を目的にした尿道カテーテルの長期留置は尿路・副性器の感染症や結石形成などの合併症や,不適切な管理により尿道皮膚瘻,萎縮膀胱,膀胱尿管逆流をきたすので,可能な限り避けるべきである.間欠的自己導尿は尿路感染の防止や腎機能保持の点からも優れており,自排尿が不十分で常時残尿の認められる患者の排尿管理法として普及している.小児や片麻痺などで自己導尿が困難な場合は介護者が導尿を行う.
外科系領域では直腸癌や子宮癌術後の排尿困難例が自己導尿の適応となる.その他に二分脊椎,脳・脊髄の外傷,出血,炎症,腫瘍,糖尿病性ニューロパチーなどに起因する排尿障害も適応となる.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.