特集 小外科・外来処置マニュアル
Ⅷ.四肢・皮膚
95.突き指
荻野 利彦
1
Toshihiko OGINO
1
1山形大学医学部整形外科
pp.294-295
発行日 2004年10月22日
Published Date 2004/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100871
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はじめに
突き指は指の先端を物にぶつける,あるいは物が指の先端にぶつかることにより生じる外傷の総称である.指の先端から基部に向かう長軸方向の圧迫力と,同時に加わる側方偏位,過伸展や過屈曲の強制により腱損傷,靱帯損傷,掌側板損傷や骨折が単独あるいは各種の組み合わせで起こる.DIP関節では槌指(伸筋腱損傷と骨折),PIP関節では背側脱臼骨折と側副靱帯損傷,母指MP関節では側副靱帯損傷の頻度が高い.軽微な外傷と考えられがちであるが,放置した場合あるは不適切な治療を受けた場合に生じる障害は必ずしも軽微ではない.その治療にあたっては指の機能解剖を熟知している必要があり,整形外科(手の外科)に治療を委ねるべきである.
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