Japanese
English
論述
対立可能な三指節母指—末節骨の多指変化について
Opposable triphalangeal thumb: bifid appearance of the distal phalanx.
荻野 利彦
1
,
石井 清一
1
,
薄井 正道
1
,
福田 公孝
1
Toshihiko OGINO
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
1Dept. of orthop. surg., school of medicine, Hokkaido university
キーワード:
先天性手部奇形
,
congenital hand anomaly
,
三指節母指
,
triphalangeal thumb
,
多指症
,
polydactyly
Keyword:
先天性手部奇形
,
congenital hand anomaly
,
三指節母指
,
triphalangeal thumb
,
多指症
,
polydactyly
pp.1172-1175
発行日 1980年12月25日
Published Date 1980/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906252
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緒言
三指節母指は,対立運動が可能なものと不可能なものに二大別される3).後者は,母指球筋の形成障害を高率に合併し,母指形成不全の一型と考えられている9).一方,対立可能な三指節母指は,しばしば母指多指症や裂手症を伴うところから,これらの奇形との関連性も論じられているが,推測の域を出ていない1,6,7,10).とくにHaas2)は1939年に,単独に発生した三指節母指の末節骨に重複変化を観察し,これを"かものはしのくちばし"と形容して,多指症との関連性を示唆したが,広く注目されるまでにはいたつていない.著者らは今回,対立運動の可能な三指節母指の単独発生例の末節骨のX線像を観察し,重複変化が高率に発生していることを確認した.三指節母指の成因を考えるうえで興味ある所見と思われるので報告する.
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