特集 小外科・外来処置マニュアル
Ⅴ.腹部・腰部
62.腰痛および坐骨神経痛
米澤 郁穂
1
,
黒澤 尚
1
Ikuho YONEZAWA
1
1順天堂大学医学部整形外科
pp.202-203
発行日 2004年10月22日
Published Date 2004/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100838
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腰痛および坐骨神経痛は外来診療で最もよく遭遇する症状の1つであり,専門性のいかんにかかわらず診察を求められることが多い.治療上,緊急性を要するケースが少ないため,とりあえず安静の指示と消炎鎮痛剤の投与を行って帰宅させ,翌日以降に専門家への受診を勧めることですまされているのが実際であろう.しかしながら,本症状を呈する病態のなかには診断の遅れや間違いが致命的な結果を引き起こすものも含まれており,診療にあたっては慎重な対応が望まれる.
腰痛および坐骨神経痛の原因となり得る脊椎疾患についての基本的な診断や診察方法については成書を参照してもらうこととし,本稿では,トラブルになりやすい,見落としてはいけない,あるいは見落としやすいと思われるケースを列記し,そのなかから導き出される診察上の留意点や考え方を明らかにする.
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