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講座 治療の最近の進歩(7)
腰痛と坐骨神経痛
Low Back Pain and Sciatic Pain.
金田 清志
1
Kiyoshi Kaneda
1
1北海道大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Hokkaido University, School of Medicine.
キーワード:
腰痛の病態
,
診断
Keyword:
腰痛の病態
,
診断
pp.537-542
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105633
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Ⅰ.腰痛の解剖学的疼痛発生源と分類
腰痛は症状であり疾患ではない.腰痛の原因はしばしば腰椎外にあり複数の原因の存在することがある.Macnab1)は腰痛を,内臓性vicerogenic,血管性vascular,神経原性neurogenic,脊椎性spondylogenic,心因性psychogenicに分類した.spondylogenicのものを骨性障害osseous lesions(外傷,感染,腫瘍,変性など)と,軟部組織障害soft tissue lesionsに分けた.
腰痛,坐骨神経痛の疼痛発生源を解剖学的に分類すると,1)骨性疼痛osseous pain,2)椎間板性疼痛discogenic pain,3)椎間関節性疼痛facet joint pain,4)神経根性疼痛root pain,neurogenic pain,5)筋・筋膜性疼痛myofascial pain,6)関連痛referred pain,7)心因性疼痛psychogenic pain,詐病malingering,その他となる.7)は解剖学的発生源とは言えない.内臓起原や血管性の疼痛は関連痛の分類に包含されている.解剖学的疼痛発生源で坐骨神経痛を惹起するものは,腰椎柱管内ないし神経孔内あるいはその近傍で坐骨神経構成神経根が何らかの原因により障害される場合である.
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