診断のポイント
坐骨神経痛
西 新助
1
1東邦大整形外科
pp.528-530
発行日 1965年4月10日
Published Date 1965/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200775
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安直になりがちな痛みの診断
臨床上痛みに対処する場合には重要問題点が内蔵されているが,一般には,いわゆる神経痛ときめて安直な処理法に走りがちのようである。しかし,痛みを主訴とする者が外来患者の高い%を占めているからには,その痛みの種類を見分け,出来れば原因を正してみようとする意欲を,さらにはそれを実行に移す努力をといつたことが望まれるのは当然であるが,自覚的な痛みを他覚的にとらえることは必ずしも容易な業ではなく,また多くの患者を限られた時間内に診療せねばならない多忙な医家にとつて,それに費し得る時間には自から制約があろう。神経痛は医者では駄目だとして,いかがわしき施療に足を向かわしめる結果を招く原因は,あるいはそんなところにあろうかと思う。そんな意味から,はなはだ多く診断名として表われる坐骨神経痛を取上げてみた。
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