特集 小外科・外来処置マニュアル
Ⅴ.腹部・腰部
57.腹壁腫瘤
青木 久恵
1
,
跡見 裕
1
Hisae AOKI
1
1杏林大学医学部外科
pp.187-189
発行日 2004年10月22日
Published Date 2004/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100833
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疾患の概念
日常の診療で,体表に腫瘤を触知して外来を訪れる患者は多いが,腫瘤の発生部位や質的診断はしばしば容易ではない.肉眼所見や画像検査のみでは正確な診断ができないことがあり,その場合,悪性変化の有無を含めて組織学的検索(外科的生検)を要する.ここで言う腹壁とは皮膚,皮下脂肪,筋膜,腱膜,筋,腹膜前脂肪織,腹膜からなり,腹壁腫瘤はこれらの組織から発生するものを指すが,本稿では,皮膚由来と腹膜を除いた腹壁から発生した腫瘤について述べる.
腹壁の腫瘤性病変には以下に挙げられるものがある.
(1)尿膜管囊腫
(2)腹壁ヘルニア
(3)腹直筋血腫
(4)炎症性腫瘤
(5)腹壁良性腫瘤
(6)腹壁悪性腫瘤
(7)デスモイド
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