日米で異なる外科レジデント教育・医療事情(第2回)
スタンダードな治療
十川 博
1
Sogawa Hiroshi
1
1ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校一般外科
pp.1040-1041
発行日 2004年8月20日
Published Date 2004/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100710
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均一化されたレジデント教育の背景
米国でのレジデント教育は均一化されている.言い換えれば,ハーバード大学で研修をしようが,ブロンクスにある市中病院で研修しようが,一応,米国でのスタンダードな医療を施す外科医ができあがるシステムができている.これは,ひとつはACGME(The Accreditation Council for Graduate Medical Education)が細部にわたり外科レジデントプログラムに必要なもの,症例数やローテーション,講義内容などを一律に定めているせいもあるが,さらに米国にある“スタンダードな治療”という共通概念が大いに役割を果たしているように思われる.これはしばしば“board answer”という言葉でも置きかえられる.つまり専門医試験の際に聞かれたときに答える模範解答という意味である.たとえばincidental non-functional adre-nal tumorの外科的切除適応のスタンダードあるいはboard answerは3cm以上である.
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